福永祐一調教師のデビューと秋山真一郎騎手の引退

競馬関係者の引退・デビューは、日本の一般的な社会と比べると1か月早い。

調教師、騎手は2月で引退し、3月から新人がデビューする。

毎年、2月・3月は、引退する人、デビューする人の話題で盛り上がるが、
今年の目玉は何と言っても、3月から新調教師としてデビューする、福永祐一(元)騎手だろう。

騎手としての実績は言わずもがな。
ただ、それ以上に、競馬との向き合い方や、芯の通った競馬理論、
そして各種メディア対応など、騎手成績以外の面でも、
武豊騎手と並ぶ競馬界の顔と言える存在だった。

特に、福永騎手は、レースを読む力がずば抜けていたように思う。
某テレビ番組で放送されていた、G1レースの展開予想の精度は凄まじく、
中でも、ワールドプレミアで勝利した天皇賞(春)の展開予想は圧巻だった。
きっとリアルタイムで見ていた人は、著者同様に驚愕したことだろう。

そんな福永氏が調教師としてデビューするのだから、
競馬ファンの期待の高さもうかがい知れるところだろう。

だが、個人的には、もう一人注目したい人物がいる。

2月で騎手を引退し、調教師となることが決まった、秋山真一郎(元)騎手である。
まだ調教師としてのデビューは先になるものの、著者は密かに応援している。
現役時代も、個人的に応援していた騎手の一人だ。

通算勝利数は1059勝。重賞勝利数は38勝。G1勝利数は2勝。
※いずれも中央競馬のみの成績

福永元騎手と比較すると流石に見劣りするが、
これもかなり立派な成績だと思う。

そんな秋山(元)騎手だが、一部の競馬関係者の意見として、
たまにメディアに取り上げられるのは、
・秋山騎手の騎乗技術は日本でトップクラスである。
というものである。

騎手成績としては超一流とまではいかなくても、
その騎乗技術は、現役時代から高く評価されていたのだ。

多くの競馬ファンの印象に残っているのは、
2007年のオークスで2着となったベッラレイアとのコンビだろう。
このレースでは、ハナ差の2着に敗れ惜しくもG1勝利とならなかったが、
G1で1番人気を背負って、堂々と正攻法のレースで勝ちに行った競馬に、著者は感激した。
そして、秋山騎手を今後も応援し続けることを決めた。
このレースを見て、この騎手はいつか必ずどこかでG1を取る、と著者は確信した。

※奇しくも、そのオークスで1着となったのは、福永騎手が騎乗したローブデコルテ。
 この頃から、福永騎手のレースを読む力はずば抜けていたのだろう。

そして5年後の2012年のNHKマイルCで、秋山騎手はG1初勝利を上げた。
カレンブラックヒルに騎乗して、堂々の逃げ切り勝ち。
心からその勝利を祝福した。

その後の活躍は、著者が期待したほどの成績は上げられなかったものの、
2018年にはJRA全10場での重賞制覇を達成するなど、いぶし銀の活躍を見せてくれた。

そして、2024年2月、惜しまれつつも騎手生活を終えた。

次は調教師というステージで、新たな活躍を見せてくれることだろう。

そして願わくば、福永調教師のライバルとなって、
調教師としてもG1制覇を成し遂げてもらいたいところである。

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