桜花賞（2023年）検討

ついに2023年のクラシックレースがスタートする。
まずは阪神マイル戦の桜花賞から。

圧倒的人気は川田優雅騎手のリバティアイランド。
やや離れた2番人気に武豊騎手のライトクォンタム。
以降は単勝10倍を以上で、ドゥアイズ、ハーパー、モズメイメイ等が僅差で並ぶ。

以下、いくつかの視点から考察してみたい。

＜能力＞

実力はリバティアイランドが1番だろう。昨年暮れの阪神JFで見せた強さは圧巻だった。
休み明け所詮だが、休み明けのトライアルレースに強い中内田厩舎。
ここはトライアルではないが、休み明けを理由に能力が発揮できない可能性は低そうだ。

実力で敵う可能性があるならライトクォンタムか。
ここまで2戦2勝とまだキャリアは浅いが、2連勝はいずれも完勝。
前走は牡馬相手のシンザン記念を勝利しており、G1でもそのまま通用する可能性もある。

その他の馬は、直接対決でリバティアイランドに敗れていたり、
下のクラスで敗れていたりで多くの馬と勝負付けが済んでいる印象。

他のところでは、
アルテミスSでリバティアイランドに勝利しているラヴェル、
前走がキャリア2戦目でスムーズさを欠きながらチューリップ賞3着のベリファーニア、
トライアルフィリーズレビューの勝ち馬で、常に上位の上がり3Fを記録するシングザットソング、
前走クイーンC勝ちが優秀なハーパー、
あたりが有力だろうか。
※チューリップ賞の勝ち馬モズメイメイは展開に恵まれた感が強く能力的には少し落ちると見る。

＜血統＞

桜花賞で好成績なのは、まずディープインパクト産駒。
それ以外では、ハーツクライやダイワメジャー等のサンデーサイレンス系の馬や、
ドゥラメンテ等のキングカメハメハ系の馬が好走する傾向にある。

今回の有力馬では、ライトクォンタムがディープインパクト産駒。
ラストクロップで頭数が少ないこともあり、ディープインパクト産駒はこの馬のみ。
他、ハーパーがハーツクライ産駒、ラヴェルがキタサンブラック産駒とサンデーサイレンス系。
※サンデーサイレンス系は他にも多くの馬が出走しているがキリがないためここでは上記のみピックアップ。

圧倒的人気のリバティアイランドはドゥラメンテ産駒とこちらも高相性。
ドゥアイズがルーラーシップ産駒、シングザットソングがドゥラメンテ産駒とこの辺りがキングカメハメハ系。

他、モーリス産駒が2頭出走しているが、これはあまり桜花賞では実績が無い。

＜展開＞

阪神マイルは広いコースで直線が長く、展開や枠順の有利不利の影響を受けにくいコース。
また、桜花賞は後方からの追い込みが比較的よく決まるが、
強い先行馬がいれば安定して走るし、先行馬の優勝も多数。

逃げるのはチューリップ賞を逃げ切ったモズメイメイが濃厚か。
他にこれまで逃げて好走した馬が少なく、先行争いはすんなり決まりそう。
有力どころでは、ルメール騎手のハーパーが比較的前目の位置を取りそう。
ベリファーニアは出遅れなければ前目に位置するかもしれないが、2戦続けて出遅れており今回も微妙。
シングザットソングも前走同様に前目を取れれば先行したいだろうが、こちらも出遅れ癖アリ。
リバティアイランドは内枠を引いたが、直線で大外に出すことを狙って中団から後方に待機か。
ライトクォンタムは新馬戦を逃げ切ったが、前走の勝ち方から今回は差しに回ると推測。
ラヴェルは外めの枠を引いたこともあり後方を追走か。
隊列が決まれば道中は大きな動き無く、最後の直線へ。
この展開なら、控えた有力馬はどの馬も自分の脚を使える流れになるのではと予想する。

こうなれば、道中の位置取りと仕掛けのタイミングで勝負が決まりそう。
最後の直線の追い比べ、モズメイメイは今回はさすがに捕まるだろう。
リバティアイランドは、内枠から大外に出すことを考えると踏み遅れる可能性もある。
（実際、アルテミスSでは少頭数でも外に出せず差し届かなかった）

となると、好位～中団に位置して脚を溜める馬に有利な展開になると予想。
先行して結果を出してきたハーパーや、ゲートが決まった場合のベリファーニアや
シングザットソングあたりに向くのではないだろうか。

※もしリバティアイランドが好位追走や、スムーズに外に出せた場合は、
　阪神JF同様の圧勝になるかもしれないが。。

＜人気妙味＞

この人気なら、リバティアイランドには全く妙味ナシ。
ライトクォンタムには未知の魅力があるが、この2番人気はリスクと見合ってないように見える。

となると、3番人気以降の馬に妙味アリ。
混戦ではあるが、ルメール騎手のハーバーは前走でG3クイーンC勝ちで実績は充分。
他、G2フィリーズレビュー勝ち馬のシングザットソングや、
G3アルテミスSでリバティアイランドを下したラヴェルは明らかに人気が無さすぎ。
500万下、G3フラワーCと連勝してきたエミューも人気薄で妙味充分か。

＜結論＞

・本命：ハーパー
・相手：リバティアイランド、ライトクォンタム、ベリファーニア、シングザットソング、ラヴェル

ハーパーにはこれといった減点材料がなく、不安点は相手強化のみ。
1倍台で、展開リスクを負いそうなリバティアイランドよりは、
実績、展開、鞍上と不安の少ないハーパーを狙いたい。

相手は他の上位人気馬と、人気薄では重賞勝ち実績のあるシングザットソング、ラヴェル。

リバティアイランドがスムーズなレースをしてしまえば手も足も出ないかもしれないが、
人気ほどの差は無いとみて、薄めのところも狙ってみたい。