ヴィクトリアマイル(2023年)検討

5週連続、東京競馬場でのG1開催の2週目。

先週のNHKマイルCは、予想通り(?)の波乱の決着。
ヴィクトリアマイルも比較的、波乱傾向のあるレースだけに、予想の腕の見せ所だ。

以下、いくつかの視点から考察してみたい。

<能力>

このレースは、有力4歳馬 vs 古馬という構図になり易い印象。
近年は特に4歳馬の活躍が目立つレースである。

まずは4歳馬から見ていく。

昨年度の牝馬2冠馬にして、前走はG1大阪杯で古馬、しかも牡馬相手に互角以上の走りをしたスターズオンアース。
前走を見るまでは、この馬の実力に半信半疑だった人も多そうだが、前走の内容的には、ほぼ勝ちに等しい2着。
このメンバーに入っても、この馬の能力が一番というのは大方の意見が一致するところだろう。

そのスターズオンアースを破って秋華賞を制覇したのがスタニングローズ。
2歳時から牡馬と混ざって重賞を走り、夏はG1オークスでスターズオンアースに敗れ2着。
秋にはG3紫苑Sを勝利して挑んだG1秋華賞にて、休み明け(故障明け)のスターズオンアースを破ってG1制覇。
その後は、古馬相手のG1エリザベス女王杯で14着に大敗、年明けには牡馬相手にG2中山記念で5着に敗れている。
前走が好メンバーのG2で5着なので牝馬同士なら力上位だろうが、今回はスターズオンアース有利というのが大方の見立てだろう。

ここからは序列が難しいが、まずは昨年度の牝馬クラシック路線を賑わした一頭であるナミュール。
結局、現時点ではG1未勝利なものの、2歳G1の阪神JFでは1番人気4着、
3歳はG2チューリップ賞を制した後、桜花賞は1番人気10着、オークスは3着、秋華賞は2着と、G1タイトルには手が届かなかった。
その後も古馬相手のエリザベス女王杯で5着、年明けは東京新聞杯2着と好走しており、ここに入っても見劣りしなそうだ。

続いて、前走で古馬相手のG2阪神牝馬Sを勝利したサウンドビバーチェ。
前走が重賞初制覇だが、昨年秋にはG2紫苑Sでスタニングローズと僅差の2着となっており、能力的にはそれほど大きな差が無さそう。

もう一頭、別路線から来たのがナムラクレア。
この馬は、桜花賞の3着馬ではあるが、その3着以降、スプリント路線に路線を絞り、
昨年夏にはG3函館スプリントS、今年1月のシルクロードSとG3を1200m重賞を2勝。
前走は古馬、しかも牡馬相手に高松宮記念で2着と、スプリント路線なら牡馬相手にも互角の勝負をしている。
今回、問題になるなら距離だろう。実力的にはかなり上位だ。

ここからが古馬。

まずはG1を3勝している、白毛のアイドルホース、ソダシ。
2歳のG1阪神JF、桜花賞、昨年のヴィクトリアマイルと、勝利したG1は全て1600m戦と、マイルは得意とするところ。
勝利したG1は全て牝馬限定戦だが、昨年の秋は牡馬混合のG1マイルCSで3着と、牡馬に混ざってもやれる実力は充分にある。
有力4歳馬との相手関係だけが問題だろう。

そしてもう一頭のG1馬がソングライン。
昨年のヴィクトリアマイルは5着だったものの、その後の牡馬混合のG1安田記念を勝利しているほか、
一昨年はG2富士Sを勝利、NHKマイルCで2着とこちらも1600m戦は得意としており、
牡馬相手にG1勝利する能力はここでも上位の存在だ。

他にも重賞ホースが多数いるという、近年稀に見るハイレベルなレース。
ただ、勝ち馬は上記いずれかから出るだろう。

序列をつけるとするなら、
 スターズオンアース > ソダシ ≒ ソングライン >= ナムラクレア ≒ スタニングローズ ≒ ナミュール >= サウンドビバーチェ
といったところだろうか。

※実績だけならスターズオンアースが抜けた存在とまでは言えないが、
 前走のレースを見ると、牝馬同士では負けると思えないパフォーマンスだったので、
 叩き2走目+コース替わりなら、ここでは能力が一枚上と見る。

<血統>

近5年の結果では、勝ち馬の父は以下4頭。
 -クロフネ
 -ディープインパクト
 -ロードカナロア
 -ハービンジャー

近10年まで拡げると、以下の種牡馬からも勝ち馬が出ている。
 -ステイゴールド
 -フジキセキ

偏っているような、バラけているような、、と言ったところ。
全体として強いのはサンデーサイレンス系の産駒だが、
一つ言えるのは、比較的リピーターが多いレースだということ。

過去10年のうち、ヴィルシーナ、ストレイトガールの2頭が連覇しており、
ジュールポレール、ノームコアの2頭は、1着+3着と、複数回の好走がある。

そのため、まず前年に好走した血統は、そのまま今年も走る可能性が高いと見て良さそう。

好走血統を有力馬の血統と照らし合わせると、、、

クロフネ産駒は、上記の血統の中では少し異色に見えるが、
前年度覇者のソダシなので、今年もソダシは有力候補の一頭。

サンデーサイレンス系の有力馬は、キズナ産駒のソングライン、ミッキーアイル産駒のナムラクレア。

最有力のスターズオンアースの父はドゥラメンテだが、後述する理由により少し引っかかるところ。
(ドゥラメンテ産駒は他にもサウンドビバーチェがいる)

他の有力馬では、ナミュールの父がハービンジャーで、産駒はノームコア1頭しか出走が無いが、非常に好走率の高い血統。

少し意外なのがキングカメハメハ産駒の不振。
過去10年で14頭が出走し、馬券内に来たのは超人気薄のケイアイエレガント1頭のみ。

キングカメハメハ系となると、ロードカナロア産駒のアーモンドアイが勝利しているが、
歴史的名馬のアーモンドアイしか好走していないと考えると、
キングカメハメハ系は相性が悪いと見た方が良いのかもしれない。

<展開>

近年のこのレースの傾向としては、先行・中団から競馬を進める馬が好走することが多く、
逃げ有利、追い込み有利といった傾向はあまり出ていないが、荒れる時は逃げ馬が残って大荒れになるという印象だ。

今回のメンバーでは、あまり先手を主張する馬がおらず、譲り合うような形になりそう。
なので、もしかしたら前残りの一発があるかもしれない。

有力どころでは、まずはソダシが先行策だろうが、
内枠を引いたサウンドビバーチェやスタニングローズあたり様子を見ながら先行集団を形成か。
また、近走は1200mを使っているナムラクレアは、距離延長の今回は比較的前に行きそう。
ナミュール、スターズオンアース、ソングラインあたりが中団から後方を追走だろうか。

東京コースだけに力があれば後ろからでも届きそうだが、
逃げ馬不在のスローペースが濃厚で、展開は前に行く馬に向きそう。

となると、マイルG1で先行して好走実績のあるソダシが有利そう。
また、東京マイルは、中距離志向よりスプリント志向の馬が好走することが多く、ナムラクレアも先行できればチャンスありそう。

スターズオンアースはゲートが五分なら意外と先行できそうな気もするが、もしそうなれば盤石か。
ただ、これまで通りの差し競馬なら内枠から馬群を捌くことになりそうなので、この場合は展開はあまり向かなそう。
(とはいえ能力はこの馬が上位なだけに。。)

<人気妙味>

一番人気はスターズオンアースで、おそらく2倍前後だろうか。
前年度の2冠馬、かつ前走で古馬の牡馬相手に僅差2着という実績を考えれば妥当な人気にも思えるが、
今年はライバル馬も強力な上、このレースは王者の取りこぼしが目立つ印象もあるので、少し気になるところ。

対して、二番人気候補のソダシ。
スターズオンアースに霞んでいるが、例年通りならこの馬が本命だっただろう。
前年度の覇者で、昨年秋のG1マイルCSでは強豪牡馬相手に3着。
もしスターズオンアースと差のある2番手なら割と妙味アリと言えそうか。

他の4歳馬は、G1エリザベス女王杯で古馬と当たって敗れていること、
スターズオンアースには勝てなそうなことを考えると、ある程度の人気薄でなければ買いづらいが、
スタニングローズ、ナムラクレア、サウンドビバーチェ辺りは思ったより人気が無いので妙味アリか。

逆に、実績のある古馬勢のソングラインは、能力全開なら有力2頭にも勝つチャンスがありそうだが、
これは追い込み一手と展開に注文がつくだけに、人気するようなら妙味は薄い。

また、目を疑いたくなる人気薄なのがイズジョーノキセキ。
前走G2阪神牝馬Sの大敗が目立つのか、昨年秋にはG2府中牝馬Sを勝利し、
暮れのG1有馬記念では4着と好走しているにも関わらず、まさかの単勝50倍超え。
大穴ならこの馬を狙いたい。

<結論>

・本命:ソダシ
・相手:ナムラクレア、スターズオンアース、スタニングローズ、ナミュール、イズジョーノキセキ

マイルG1を3勝した実績と、安定した先行力が魅力のソダシを中心に考える。
2歳でデビューしてからの3年間トップクラスで走ってきた馬だが、戦績が最も安定しているのは1600m戦。
馬券に絡めなかったのは、ダート1800mのチャンピオンズCと、芝2000mを超えるのみで、1800m以下の距離では全て馬券に絡んでいる。
特に芝1600m戦では、昨年秋のG1マイルCSの3着以外は全て勝利しており、軸としてかなり信頼できる馬。
懸念点は、2歳からトップで走ってきた本馬が5歳でまだピークにあるかが怪しいことと、今回は乗り替わり初騎乗であること。
とはいえ、鞍上のレーン騎手の乗り手としての実力は申し分なく、4つめのG1勝利を期待したい。

相手筆頭は、思ったより人気の無いナムラクレアを狙いたい。
桜花賞で3着となって以降はスプリント路線に切り替えて、牡馬相手に重賞を2勝し、前走はG1高松宮記念で2着。
スターズオンアースには桜花賞で先着を許しており自力では劣っているかもしれないが、
ヴィクトリアマイルは、比較的スプリント寄りの馬が好走する傾向にあること(Ex. ストレイトガール)、
今回のメンバーは先行馬が少ないスローペース濃厚であることから、人気を考えればこちらを買う価値がありそう。
距離不安は拭えないが、実力を考えると人気妙味が大きく期待したい。

スターズオンアースは、力上位は明らかだが、このレースは絶対王者が敗れた例も多い。
また、差し脚質のこの馬には内枠も不利に働く可能性がありこの人気で軸にはしづらいが、馬券からは外せない。

スタニングローズは、スターズオンアースに勝利した実績もあり実績は充分。
今回のメンバ構成では先行脚質も魅力なだけに、上位人気と少し差があるこの人気なら狙ってみたい。

ナミュールは、3歳時にはスターズオンアースとほぼ互角の評価を受けていた馬。
昨年春のG2チューリップ賞を最後に勝利が無いが、常に上位のパフォーマンスを出しているだけに、
展開が向けば上位に食い込める実力はありそう。

大穴でイズジョーノキセキを狙いたい。
昨年の秋は斤量差があったとはいえ、東京コースで行われたG2府中牝馬Sでソダシに勝利しているだけに、
同じ東京コースで行われるこのレース、人気薄なら狙ってみたい。

人気どころでは、ソングラインを外したい。
昨年は牡馬相手にG1安田記念を勝利している実力馬だが、この馬もソダシ同様5歳でピークを過ぎた可能性があるのと、
追い込み一辺倒の脚質、池添騎手から戸崎騎手への乗り替わりなど懸念点が多く、
この人気なら今回は見送りとしたい。

このレース、稀に大荒れもあるレースであるが、さすがに今回は上位馬が強そうなメンバーで、
比較的、平穏に収まりそうな気配だが、果たして。。

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