ポツンを考える
ポツン。それは競馬ファンには避けて通れない、絶望の瞬間。
ポツン。それは前崩れの展開に一縷の望みを託す一か八かの騎乗。
ポツン。それは横山典弘騎手の得意技。
ということで、今回はたびたび競馬の世界を騒がせる「ポツン」について語りたい。
「ポツン」とは、レースの道中、離れた最後方にポツンと待機して、追い込みに掛けるレース運び(騎乗法)を指す。
明らかに力の劣る馬や、何らかのアクシデントにより最後方に位置した馬ではなく、
騎手が明確な意思を持って、最後方に控えているのが「ポツン」の特徴である。
馬券購入者の大半は、自分が購入した馬が「ポツン」しているの見ると、その馬券を諦める。
そして、それは概ね99%程度の場合は正解である。
それぐらい、「ポツン」した馬が馬券に絡むことは少ない。
「ポツン」を行う騎手の心理については想像するしかないが、
競馬ファンの推察する一般論として、以下のような理由が考えられている。
・今までとは違ったレース運びをさせて、騎乗馬の”新味”を出すため。
・力の劣る馬が、展開待ちで少しでも良い着順を拾うため。
・馬に走る気がなく、いい位置で追走することができなかったため。
果たして、本当はどれが正解なのかはわからない。
ただ、どれが理由だとしてもハッキリしているのは、
その馬が馬券に絡む確率は極めて低い、ということである。
ということは、である。
「ポツン」を発動する馬は買ってはならない、というのが競馬ファンの鉄則である。
言い換えれば、横山典弘騎手を軸にしてはいけない、という意味にも捉えられる。(笑)
横山典弘騎手の「ポツン」が成功した例としては、
2015年 天皇賞(春)ゴールドシップ ※「ポツン」からの捲り
が挙げられるが、こんなことはほぼ無い。
基本的には「ポツン」を発動しそうな時は買わない、が鉄則である。
(実はこれは慣れれば高確率で回避できる)
とはいえ、「ポツン」した馬を買っていて、脱力するという経験も貴重なので、
一度は横山典弘騎手を軸にして、馬券購入者目線での「ポツン」を経験してみてほしい。
※ちなみに、「前ポツン」という、横山典弘騎手が騎乗した場合にのみ表現される、
「ポツン」とは真逆の大逃げ戦法もある。(通常のポツンは「後ろポツン」)
「前ポツン」は非常に好走率が高く、こちらは発動すれば馬券を買っている人を歓喜させる。
ただし、「前ポツン」を見抜くことは、通常の「ポツン」を見抜くよりも圧倒的に難しい。
かくいう著者も「ポツン」馬を避けることは高確率で可能だが、
「前ポツン」を予測できたことは一度も無い。。