バスラットレオンの海外遠征に思うこと

2022年、矢作厩舎のバスラットレオンが海外レースを3戦した。

1戦目:ドバイ、ゴドルフィンマイル、ダート1600m →1着。
2戦目:イギリス、サセックスS、芝1600m →4着。
3戦目:フランス、ジャックルマロワ賞、芝1600m →6着。

この馬、日本ではG2ニュージーランドT勝ちの実績はあるが、
その後は約1年の間、重賞レースで掲示板にも載れなかった。

ところが、だ。
なんとドバイのゴドルフィンマイル、ダート1600m戦を快勝し、
賞金約7500万円(1ドル:130円で換算)を獲得した。

その後は欧州に遠征し、そこでの2戦は勝てなかったものの、
国内で低迷していた馬が、海外を3戦して1勝というのは素晴らしい結果だと思う。
一人の競馬ファンとして素直に嬉しい。

ただ、、
実はこの馬、国内レースを走っていれば、もっと活躍できた(賞金を稼げた)のでは?
という思いも浮かんでしまう。

確かに、この馬は、血統的には欧州で走れそうな血統ではある。
父キズナは3歳でフランスの凱旋門賞に挑戦し、ステップレースのG2では1着、
本番では強豪を相手に4着と、欧州の芝コースでも戦えるだけの適性を見せた。
更に、母父ニューアプローチはイギリスダービー馬であり、
母母父ケープクロスはイギリスでリーディングサイアーに輝いたこともある名血。
これは欧州で走らせてみたくなるのも頷ける。

この血統を見る限りでは、今回の欧州での2戦は、適性の差ではなく、
能力の差で負けた可能性が高いと著者は見ている。

だとすると尚更、日本で走っていれば、、と思えなくもない。

7500万円の賞金なら、日本なら重賞レースを2勝すれば稼ぐことができる金額であり、
加えて、海外遠征には多くの遠征費もかかるため支出も多くなる。
これは完全にタラレバ論でしかないが、海外遠征した時の調子なら、
国内のレースに専念していれば、それ以上の賞金を稼いでいた可能性は充分にある。

※とはいえ、もし欧州でG1勝利していれば、種牡馬入り確実だっただろうし、
 そのチャンスを狙いに行ったのだろう、という想像はつく。

私自身は、海外遠征を批判しているわけではない。
むしろ、日本馬の強さを世界に知らしめる良い機会だと思う。

だがその一方で、海外遠征を行った馬は、帰ってきた後に調子を崩すことが多いのも事実。
結果として、その馬の競走馬としての可能性を潰してしまう可能性もある。

海外遠征、特に日本とは大きく適性の異なる地域への遠征の際には、
「その馬が遠征先で活躍できるか?」を測るテストのようなものがあれば、
より多くの関係者にとって、良いレース選択が出来るのにな、、と思う次第だ。

※とはいえ、もしこれが実現してしまうと、
 遠征すべき/遠征すべきでない が明確に判定できてしまい、
 海外遠征を行う陣営がメッキリ減ってしまうかもしれないが。。

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