スローの上がり勝負をどう感じるか
2022年の関屋記念。
勝ち時計は1分33秒3。
1着:ウインカーネリアン …2番手追走から上がり32.9
2着:シュリ …逃げて上がり33.1
3着:ダノンザキッド …中団追走から上がり32.6(全頭中最速上がり3F)
どう見えるだろうか。
2番手追走から32.9、逃げて上がり33.1では、後方の馬はノーチャンスだろう。
(むしろ3着ダノンザキッドはさすがという印象。やはり強い。)
勝ち馬、および2着馬は恵まれたかもしれないが、これは文句無く騎手の好騎乗。
勝ち馬ウインカーネリアンはリステッド競走2連勝からの連戦で、これは力上位の馬が好調を活かしてよく走ったかもしれないが、2着馬シュリについては明らかに力は劣る印象。まさに展開を活かした、というより狙い通りの展開を作って嵌めた好騎乗だろう。
と、上位2頭の騎乗は完璧と言えるとして。
この手のレースでよく言われるのは、有力馬で中団・後方追走して伸びなかった馬達の騎乗についてである。
1番人気は3着馬ダノンザキッド。これはまだ3着に来ただけマシだろう。むしろ2歳のG1勝利を最後に勝ち星から遠のいている現状を考えると、よく走った方かもしれない。(メンバを考えると勝ってほしかったところだが。。)
問題は2番人気のイルーシヴパンサー。これは馬券を買った人は納得がいかないパターンである。元々、追い込み一辺倒の脚質であるため、展開次第でこうなることも予想できたとは思うが、ここまで見せ場なく敗れると、馬券を買う側としては消化不良となる。ある程度、競馬歴を重ねた競馬ファンなら「これは馬券を買った自分が悪い」と納得できるのだが、そうは割り切れない人も中にはいると思う。気持ちはわかる。
レースは生き物と言われるだけに、この展開を予想することは難しかっただろうが、道中のペースを見て、明らかなスローと見て取れたなら、早めに押し上げるなどしてほしかった、と馬券購入者は思うのである。
特に、ハイペースの前崩れよりも、スローペースで脚を余す方で、その傾向は顕著に表れる。スローペースは分かった時点で位置を上げるという選択肢が取れる(ように見える)からである。それをせず、最後の直線までそのままの位置で溜めて、そのまま流れ込んで着外。。馬券を買っている側からすると、非常に不満が残るレースとなる。
そうした不確定要素を踏まえて予想するのが競馬予想なので、慣れてくればこういう事態も笑って済ませることができるのだが、
こういうレースを見ると、やはり馬券を買う時は「納得できる騎乗をしてくれる騎手」を選びたい、と思ってしまう。
(で、結局、リーディング上位の騎手が売れるのである。。)