ディープインパクト系は、
2005年の3冠レースを全て制したディープインパクトから発展したもので、
現在の日本競馬において、最も勢いがあり発展しそうな血統である。
・キズナ
・ミッキーアイル
・シルバーステート
などが、ディープインパクトの血を引く種牡馬である。
2023年現在、まだディープインパクト産駒は現役に多く、
リーディングサイアーの候補ではあるが、
ディープインパクト自身は2019年に死去しており、
現役産駒は徐々に減り次世代にシフトしていくことになる。
まだ産駒はデビューしていないが、ディープインパクトの最高傑作と言われるコントレイルが
2022年に種付けを開始しており、産駒は2024年からデビューの予定。
種付け頭数から考えてもこの馬がリーディング争いに乗ってくることは確実で、
ディープインパクト系は今後も発展を続けていくだろう。
ディープインパクト自身も、日本競馬史上最強との呼び声も高い競走馬である。
2歳の暮れにデビューし、武豊騎手を背に単勝1.1倍の圧倒的な支持に応える圧勝を見せる。
この時点で、騎乗した武豊騎手は、ディープインパクトのことを
「飛ぶような走り」と表現しており、その後の活躍を予感させるものだった。
3歳になると若駒S、弥生賞と連勝を重ね、クラシック3冠レースに臨んだ。
まずは1冠目の皐月賞。スタート直後に落馬しそうになりながらも終わってみれば圧勝。
勝利後の写真撮影では、武豊騎手が1本指を立て「まずは1冠」を示し、
その後の3冠レースを見据えたパフォーマンスを見せた。
続く2冠目のダービーは、不利さえなければ絶対に勝てると言わんばかりに、
ゲートをゆったり出て後方を追走し、直線は大外に持ち出して5馬身差の圧勝。
圧倒的な力を見せつけて世代の頂点に立った。
勝利後の写真撮影では武豊騎手は2本指。この時点で3冠確定ムードだった。
※余談だが、2着インティライミと3着シックスセンスの差も2.5馬身あり、
インティライミも通常の世代ならダービーが狙えた器だったと思う。
生まれた世代が悪かった。
秋はセオリー通り休養を挟んで、神戸新聞杯から始動。そして圧勝。
3冠レース最後の菊花賞に臨んだ。
このレースは、名手・横山典弘騎手のアドマイヤジャパンが2番手追走から
早め先頭に立って押し切りを狙い、一瞬、ファンをヒヤッとさせたが、
最後はディープインパクトが捉えて2馬身差で快勝。
ついに3冠馬となり、武豊騎手の手にはついに3本指が立っていた。
※またまた余談だが、この2着馬のアドマイヤジャパンは、
クッション「Yogibo」のCMに出演している。
個人的には応援していた馬なので、引退後の姿を見れるのは嬉しい限りだ。
菊花賞で3冠を制した後は、有馬記念に出走して古馬と初対戦。
当然ながらここでも圧倒的な一番人気だが、覚醒したハーツクライに敗れてまさかの2着。
後のハーツクライの活躍を考えれば、この時点での敗戦は仕方なかったようにも見えるが、
後にも先にも、日本国内でディープインパクトが敗れたのは、この一戦だけである。
その後、年が明けての4歳。
有馬記念で後塵を拝したハーツクライが海外遠征したこともあり、もはや国内に敵はいなかった。
阪神大賞典、天皇賞(春)、宝塚記念と全て圧勝。
特に圧巻だったのは天皇賞(春)。
道中、スタート後は後方を追走していたものの、3コーナーで位置を上げて、4コーナーでは早くも先頭に。
これは流石に差されるか?と思ったが、終わってみれば2着リンカーンに3.5馬身差を付ける圧勝。
ディープインパクトはもはや日本に敵ナシであることを全ての競馬ファンに見せつけた。
※ちなみに、友人に言わせれば、これは騎乗ミスだろう、とのこと(笑)
私自身は武豊騎手のファンなので、馬の力を信じた好騎乗だと思っている。
宝塚記念の後は、秋は凱旋門賞に遠征。
ついに日本馬の悲願である凱旋門賞制覇を成し遂げるかと思われたが、
直線で一時先頭に立つも、最後はレイルリンク、プライドの2頭に差されて3着。
(後に禁止薬物が検出され失格扱い)
ディープインパクトでも凱旋門賞を勝てなかったという事実は、日本の競馬ファンを絶望させた。
凱旋門賞の敗戦後は、ディープインパクトのオーナーである金子氏が今年限りでの引退を表明。
来年の凱旋門賞に挑戦してほしいと思っていたファンも多かったこともあり、
引退を惜しむ声は非常に多かったが、国内でジャパンカップ、有馬記念の2戦を圧勝。
惜しまれつつも現役引退となった。
引退前から、種牡馬としての期待は大きく、多くの優秀な牝馬を集めた。
そしてその期待に応えて多くの活躍馬を輩出し、
2012年~2022年まで11年連続でリーディングサイアーに輝いている。
種牡馬としてのディープインパクトの武器は、
自身がそうであったように、芝レースで見せる素軽いスピードと瞬発力である。
芝のマイル~中距離での活躍が多く、スプリント戦や長距離戦はやや苦手な傾向にあるが、
それぞれのカテゴリでG1馬を輩出しており、他と比べて数値が落ちる程度である。
ダートではあまり成績を残していないが、これは適性が無いのではなく、
陣営が産駒を芝レースに使いたがることに起因している可能性がある。
また、牝馬の活躍馬が多いことも特徴であり、
特に阪神JFや桜花賞といった阪神マイル戦の成績は圧倒的に良い。
やや晩年になって、コントレイルという中長距離のチャンピオンホースを輩出したが、
それまではジェンティルドンナやグランアレグリアといった牝馬の活躍馬が多かった。
※とはいえ、コントレイル以外にもダービー馬を6頭輩出しており、
普通に考えれば充分すぎる実績である。
他のディープインパクト系の種牡馬も、基本的にはその特徴を引き継いでいる。
そして、自身の特徴を強く引き継ぐ馬が多い。
・キズナ産駒→ディープボンド …キズナと同様に京都新聞杯やフランスのG2に勝利
・ミッキーアイル産駒→メイケイエール …ミッキーアイル同様に短距離戦で活躍
ディープインパクト系は、芝でスピードと瞬発力を活かす、
自身の特徴を引き継ぐ傾向が強い、とイメージしておこう。