3戦3勝でG1朝日杯を制したジャンタルマンタル。

父:パレスマリスという見慣れない血統なら、
新馬→G2→G1と相手強化しながら、危なげの無いレース運びで3連勝を飾っている。

3戦いずれもが好スタートから前目の位置につけて抜け出すという王道の勝ち方で、
やや派手さに欠ける印象があるものの、ほぼ文句のつけようが無い完勝だった。

血統ファンからすると、この血統ではやや半信半疑になってしまう印象は拭えないが、
実績や勝ちっぷりだけを見れば、これ以上ない来年のクラシック候補だろう。

著者は、予想の中で、血統をそれなりに重視するため、
G2デイリー杯、G1朝日杯どちらも本命にできず馬券を外してしまったが、
同じ思いをした人は決して少なくないだろう。

それぐらい、父:パレスマリス(Palace Malice)、母父:ウィルバーン(Wilburn)という血統は、
日本では馴染みが薄く、この血統が日本の芝G1を制覇するとは想像しづらいものだ。

しかし、ここまで来たら、この馬には日本で種牡馬入りしてもらって、
日本競馬界の新たな血としての期待も高まってくるし、
現時点では、この馬がクラシック候補の筆頭だと考えている。

この馬を中心視する理由は3つ。

・未だに底を見せていない安定した強さ。
・好位の馬込みで脚を溜めて抜け出せる精神力。
・距離が延びて更に良さが出そうな血統。
 ※父:パレスマリスはG1ベルモントS(ダート2400m)の勝ち馬

正直なところ、この血統の馬が日本の中長距離G1を勝てるかは、未だに懐疑的であるものの、
この3戦の勝ち方を見る限りは、この馬に勝てそうな馬が現時点では見当たらない。

不安点を挙げるなら、34秒台後半の上がりでしか走ったことがないこと。
高速上がりが必要なレースになった場合に、より切れる馬に差されるのでは、という一抹の不安はある。

ただ、それでもこの馬の安定感は大きな武器であり、大崩れするシーンは考えにくい。
3歳になってもG1レースで上位を賑わしてくれることは間違い無さそうだ。

※その一方で、個人的には、日本のクラシックレースでは、
 日本人達が作り上げてきた近代日本の血統に勝ってほしいという思いもある。
 日本の血統の意地を見せて、この馬と好勝負を見せてほしいところだが。。

ジャンタルマンタル(Jantar Mantar)血統表

パレスマリス
Palace Malice
カーリン
Curlin
スマートストライク
Smart Strike
ミスタープロスペクター
Mr. Prospector
デピュティミニスター
Deputy Minister
ロイヤルアンセム
Royal Anthem
シアトリカル
Theatrical
レッドランサム
Red Ransom
ウィルバーン
Vilburn
バーナーディニ
Bernardini
エーピーインディ
A.P. Indy
カーソンシティ
Carson City
トゥモローズキャット
Tomorrows Cat
ストームキャット
Storm Cat
エルババ
El Baba