血統?何それオイシイの?というのが、競馬を初めて知った人の感覚だろうか。

競馬はブラッドスポーツ(血のスポーツ)と言われるほど、
血統が重視される世界である。

血統とは、馬の血筋(血の繋がり)のことであり、
現在の日本競馬で主流となっているサラブレッドは、
生産者が研究に研究を重ねて生み出されたものである。

※ちなみに、コアな競馬ファンは、正直、引くぐらい血統のことに詳しい。
 ○○という馬の父は△△で、更にその父は□□で、更にその父は、、と、
 3代前ぐらいまでは割と簡単に遡ることができる。

サラブレッドは、父系を辿ると、3頭の馬に行き着くと言われており、
それだけ、古来から血統が大切にされてきたということである。

その3頭の馬とは、
・ダーレーアラビアン(Darley Arabian)
・ゴドルフィンアラビアン(Godolphin Arabian)
・バイアリーターク(Byerley Turk)
であり、これらは3大始祖と呼んでいる。

3大始祖はそれぞれ西暦1700年前後に生まれた馬であり、
そこから300年以上もの間、血を重ねて、
より速く、より強い競走馬を目指して生み出されてきたのが、
現在、日本で活躍する競走馬達である。

本来なら、3大始祖から現代に至るまでの血統の歴史について、
熱く語りたいところである。
が、それではさすがに長くなりすぎるので、
ここからは、近代の日本競馬における血統について少し語りたい。

現在の日本競馬では、1994年から日本で活躍を始めた
サンデーサイレンスというアメリカ馬の血を引く馬達が大活躍している。
むしろ、その血を持たない馬を探す方が難しいぐらいだ。

サンデーサイレンスが日本に導入されるまでの間は、
ノーザンテーストという馬の血を持つ馬が長く活躍していたが、
現在、その馬の血は父系にはほとんど残っていない。

サンデーサイレンスの血を持たない馬だと、
キングカメハメハという馬の産駒(子供という意味)が、
2008年頃から多く活躍した。
この記事を執筆している2022年時点では、
この2頭の血を引く馬達が、日本競馬の頂点をかけて凌ぎを削っている。

それ以外では、アメリカやヨーロッパで活躍した馬達を輸入して
サンデーサイレンスやキングカメハメハの血を引く馬との交配が行われているが、
それらの馬の種牡馬(=父馬)としての成績はあまり芳しくない。

だが、サラブレッドは(というより全ての生物は)、近親交配は避けるべきと考えられており、
サンデーサイレンスやキングカメハメハの血を持つ馬と、
アメリカやヨーロッパから輸入した馬を交配することで血の活性化を図っており、
外国からの種牡馬の輸入は今後もずっと続くだろう。

現在、そしてこれからの日本競馬は、
・サンデーサイレンス
・キングカメハメハ
の血を引く馬達を軸にして動いていく。
おそらくこの先10~20年はこの構図は変わらない。

そこに、かつてのサンデーサイレンスのような輸入種牡馬が現れて、
上記2頭の間に割って入ることができるかどうか。
それが今後の日本競馬における血統を語る上での争点である。

競馬の血統を語る上で、まずはこの点を押さえておいていただきたい。

※サンデーサイレンス、キングカメハメハを始めとした、各種牡馬(父馬)の解説は別途行います。