サラブレッドの血統は、今から約300年前、
・ダーレーアラビアン(Darley Arabian)
・ゴドルフィンアラビアン(Godolphin Arabian)
・バイアリーターク(Byerley Turk)
という3大始祖と呼ばれる馬から始まった。

当然ながら、現在は代替わりが進み、上記3頭の血はかなり薄まっている。
※サラブレッドの寿命は約25年と言われているため、どれだけ代替わりが遅い系統でも、
 3大始祖から現在までの間に、15世代以上は経過しているはずである。
 (なお、ディープインパクト~ダーレーアラビアンまでは24世代。数え間違ってたらスミマセン)

3大始祖から現代までの代替わりが進んでいく中で、
活躍馬を多く輩出し、血統の繁栄に大きな影響を与えた馬が何頭も存在するが、
それらの血を引く馬を「〇〇系」と表現する。

例えば、日本競馬においては、1990年代にアメリカから輸入されたサンデーサイレンスが、
多くの活躍馬を輩出し、日本での競馬、引いては世界の血統にも大きな影響を与えた。

そのため、サンデーサイレンスの血を引く馬はサンデーサイレンス系と呼ばれることがある。

ただ、サンデーサイレンスの父であるヘイロー(Halo)も
アメリカでリーディングサイアーになった名種牡馬であり、
その血を引く馬達をヘイロー系と呼ぶこともある。

更にそのヘイローの父であるヘイルトゥリーズンも活躍馬を多く輩出しており、
その血を引く馬達はヘイルトゥリーズン系とも呼ばれる。

まとめるとこんな感じだ。
・ヘイルトゥリーズン系 > ヘイロー系 > サンデーサイレンス系

例えばサンデーサイレンスの産駒であるディープインパクトは、
 サンデーサイレンス系でもあり、
 ヘイロー系でもあり、
 ヘイルトゥリーズン系でもある。

一般的には、世代の近い馬の名前を使うことが多いが、
血統をより幅広く分類したい場合には、上の世代で系統分けすることもある。

ただ、「〇〇系」と呼ばれるのは、種牡馬として血統に相当な活躍をした馬のみである。
例えば、短距離で大活躍したタイキシャトルは、ヘイローの血を引くヘイロー系の馬だが、
タイキシャトルの血がそこから大きく繁栄したわけではないため、タイキシャトル系とはほとんど呼ばれない。

どこまで活躍すれば呼ばれるか、という明確な定義はなく、曖昧なものではあるが、
2000年以降に、日本で「〇〇系」と呼ばれるようになった血統は、
・サンデーサイレンス系
・キングカメハメハ系
・ディープインパクト系
といったあたりだろうか。
※これはあくまでも著者の解釈。
 人によっては、サンデーサイレンス系を更に細かく細分化して、
 フジキセキ系、ステイゴールド系、ハーツクライ系、という分け方をする場合もある。

競馬の血統における「〇〇系」とは、このようなものである。

今後の参考になれば幸いです。

※なお、三大始祖から現在の種牡馬までどのように血が繋がってきたのかは、
 別ページに記載の系統図をご参照下さい。