イチ競馬ファンとして感じることがある。
2022年はリーディングジョッキーに輝いた川田将雅騎手。
だが、、、
長距離レースに弱くないか!?
という疑問だ。
過去には、ビッグウィークで菊花賞を制し、マカヒキでダービーを勝利し、、と、
2400m以上の距離でも多くの実績を上げて来たジョッキーだ。
だが、近年のG1レースでの好走実績を見ると、、
・2022年
-朝日杯FS(芝1600m):2着
-阪神JF(芝1600m):1着
-NHKマイルC(芝1600m):2着
-桜花賞(芝1600m):1着
-大阪杯(芝2000m):2着
・2021年
-ジャパンC(芝2400m):3着
-マイルCS(芝1600m):3着
-宝塚記念(芝2200m):3着
-安田記念(芝1600m):1着
-NHKマイルC(芝1600m):3着
-大阪杯(芝2000m):1着
-高松宮記念(芝1200m):1着
・2020年
-ホープフルS(2000m):1着
-朝日杯FS(芝1600m):3着
-マイルCS(芝1600m):3着
-スプリンターズS(芝1200m):2着
勝利したのは2000m以下のみ。
2400m以上の距離での好走実績はは2021年のジャパンCのみと、好走実績は2000m以下戦に偏っていることが分かる。
※先日行われた天皇賞(春)でも3番人気のポルドグフーシュに騎乗して6着と、人気を下回る結果だった。
やはり長距離G1での成績は落ちるような印象があるが、
実際のところどうなのか?という点を検証していきたい。
<対象範囲>
・2018~2022年の5年間に川田騎手が騎乗した芝G1レースのうち、競走中止していないもの
<考察①:川田騎手は本当に長距離G1レースが苦手なのか?>
結論としては、距離が延びれば延びるほど成績が下がるというのは事実である。
以下にその根拠を示す。
※ダートのG1レースは1600mと1800mしか無いので、芝レースに絞って確認している。
1200m戦では、複勝率は驚異の6割超え(!?)、勝率も4割超えなのに対して、
2400m戦では、複勝率こそ3割を超えているものの、勝率はなんと0%と明らかに数字が落ちる。
感覚的には、2400m以上のG1レースでの存在感が薄いと感じていたが、やはり数字にしてみてもその通りだった。
この数字は、他騎手を比較して特別低い訳ではないが、
川田騎手の短距離G1での成績が良すぎるために、長距離G1での好走率が低く見えてしまう。
ただ、2400m以上の距離で、2000m以下のG1のような成績は期待できない、というのは残念ながら事実のようだ。
<考察②:長距離G1での成績不振は、騎乗馬の質の問題か?>
長距離G1での成績が落ちる理由として、騎乗馬の質の問題では?という可能性もあるので、次は距離と騎乗馬の質の関係について検証したい。
※騎乗馬の"質"を測る指標として、ここでは質=人気として定義する。
結論としては、長距離G1の成績が下がるのは、騎乗馬の質とはあまり関係が無い。
以下に根拠を示す。
※横軸はレースの距離を表している。(一番左が1200m戦の数値)
平均(着順ー人気)は、高ければ高いほど着順が人気を下回る(=人気を裏切っている)ということ。
川田騎手は、競馬ファンから信頼されている一流騎手だけに、ほとんどのG1レースで上位人気の馬に騎乗している。
その結果、騎乗馬の平均人気はかなり高く、どの距離でも、そこそこの上位人気の馬に騎乗している。(上記グラフの青線)
※特に1200m戦での平均人気は2.5と、かなりの人気に。。。
信頼されている騎手だけに過剰人気になりがちでもあり、平均すると着順>人気となってしまう。(上記グラフのオレンジ戦)
ただ、その着順が人気を下回る幅が、2000m以下の距離のG1では比較的小さいのに対して、
2200mを超える距離になると、着順が人気を大きく下回ることが多くなっている。
このことから、騎乗馬の質とはあまり関係なく、長い距離のG1レースでは、成績が落ちる傾向にあると言えそうだ。
<結論> ※個人的見解です。
川田将雅騎手は、2000m以下のG1と比較すると、2200m以上の距離での成績は落ちる。
それは、騎乗馬の質(=人気)とはあまり関係が無く、上位人気馬に乗っていても、短距離G1ほどは信頼できない。
…ただ、このような結果になったのは、決して川田騎手が長距離が苦手というわけではなく、
2000m以下のG1での成績が良すぎること、競馬ファンの信頼が強すぎるが故に人気し過ぎていることが理由だと思うので、
馬が強いのであれば、川田騎手だからといってマイナス材料として捉える必要は無いと思う。
<所感>
短距離戦での川田騎手の好走率の凄さよ。。
平均すると、人気を下回ることの方が多いものの、「平均(着順ー人気)」は1台前半。
この凄まじい数字を見てしまうと、ちょっと厳しそうな馬でも、川田騎手が乗っているというだけで、押さえておきたくなる。。