ロベルト系は、欧州で活躍したロベルト(Roberto)を祖とする系統で、
日本においては大物輩出型の血統として知られている。
ナリタブライアン、シンボリクリスエス、モーリスといった辺りがその代表例である。
上記3頭は全て異なる種牡馬の産駒であり、
サンデーサイレンス系が主流の日本競馬において、
チャンピオンホース級を送り込むことができる血統である。
現在、日本で活躍している種牡馬としては、
・エピファネイア
・モーリス
・スクリーンヒーロー
などが挙げられる。
日本では、1994年の3冠馬であるナリタブライアンの父でもあるブライアンズタイムが、
サンデーサイレンスと並んで常にリーディング上位の存在であり、
先述のナリタブライアンに加えて、サニーブライアン、タニノギムレットと3頭のダービー馬を輩出している。
ただ、それらのダービー馬は種牡馬として期待通りの活躍ができず、
結果として、ロベルト系は、ブライアンズタイム以外の種牡馬の産駒が日本で活躍している。
※なお、タニノギムレットは、種牡馬としてダービー勝ち馬のウォッカを輩出するなど
一定の成績を残したのだが、最も活躍した産駒のウォッカは牝馬であったこともあり、
そこからサイアーラインをつなげることができなかった。
ロベルト自身は、アメリカで生まれ、1970年代前半に欧州で活躍した競走馬である。
イギリスダービーをはじめG1レースを3勝した一流馬であるが、
ダービーでの乗り替わり騒動や、同時期に活躍したブリガディアジェラード(Brigadier Gerard)に
勝利して連勝を止めたことで、主役というよりヒール役としての印象が強いようだ。
※著者は1980年代生まれのため、この時代の競馬をリアルタイムでは知らない。
知識が薄くて申し訳ないがご了承いただきたい。
引退後のロベルトは、生産国であるアメリカに戻って種牡馬生活を送り多くの活躍馬を輩出した。
代表産駒は、ブライアンズタイム、シルヴァーホーク(Silver Hawk)、
クリスエス(Kris S)、レッドランサム(Red Ransom)など。
※競走馬としての活躍よりも、後世の血統表に大きく影響を与えた馬をピックアップ。
ロベルトの産駒は、競走馬として大活躍した馬よりも、
そうでない馬の方が種牡馬として成功している例が多いように思う。
日本でも、ナリタブライアンが種牡馬として成功し切れなかったのは、
この系統の特徴として仕方がないことなのかもしれない。
ロベルト系の特徴としては、パワーと持久力に優れる馬が多いこと。
特に、芝の中長距離での活躍する馬が多く、
強い産駒はチャンピオンホースまで上り詰める。
その反面、芝コースにおいてはスピード勝負にそれほど強くなく、
一部の馬を除いては、短距離や速い上がりの勝負は弱い傾向にある。
また、レースを使いながら強くなる馬が多く、
G1級の馬は、レースに使って徐々に上り詰めていく馬が多い。
スピードよりもパワーと持久力、早熟の天才型よりも晩成の努力型、
とイメージしておくと良いだろうか。
※但し、最近、種牡馬デビューしたエピファネイア産駒は、
少しこの傾向から外れていて早熟のスピードタイプのようにも見える。。
あくまでも全体としての傾向として捉えてほしい。